2015/08/29

タコの丸かじり 【再読】

タコの丸かじり
タコの丸かじり
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文藝春秋 (2012-09-20)
売り上げランキング: 20,483
kindle版
■東海林さだお
最近読んだ本だけど旅先で「なんにも難しいこと考えなくていい面白いものを」と思ってこれを再読。
「最近」といってもいま調べたら2014年11月初読みだったが、「こないだ読んだところだから飽きたら読み飛ばしてもいいかな」というつもりだったのにきっちり面白くて飛ばすなんてもったいなくてじっくり楽しめたのがさすが。
気楽に、読み流す感覚くらいで臨んでちょうどいいっていうのがこの連載に合ったのかもしれない。
内容は30年くらい前のエッセイなのでいろいろ感覚も社会事情も古いけど、目くじら立てずにさらりとスルーしておきたい。ま、それでも時々「ムッ!?」って眉根が寄っちゃう記述もないわけじゃないけどね。団塊の世代ってこのくらいかしら?
東海林さだお、1937年生まれ。昭和でいうと12年、ってことは団塊の世代よりもっと年配ってことかー。
そらー古いわなあ。頭も固いわなあ。
このエッセイ初出は昭和62年1月~9月だから、50歳くらいのときに書かれたもの。まあ50歳~60歳くらいのおじさんってこんな感じの喋り方する印象あるもんなあ。全部がそうじゃないけど。時代によるものもあるけど、世代的なものもあるってことかな。もちろん昭和12年生まれが50歳のときと、現在50歳とでは全然違うんだけどね。でも「ああ、おじさんだなあ」と思うわけ、「おじいさんだなあ」とは思わないっていう。
あれ?でも東海林さんが最近書いたもの読んでも「おじいさんだなあ」とは思わなかったんだっけか……うーん。論理が破綻しました。
若い時の東海林さんはエッセイ書いてなかったのかなあ。漫画家だもんなあ。


2015/08/25

ハッピー・チョイス

ハッピー・チョイス (集英社文庫)
集英社 (2013-06-20)
売り上げランキング: 35,673
■中島たい子
本書初出は「すばる」2009年10月号で同年集英社から『結婚小説』として単行本出版され、後に文庫化する際に『ハッピー・チョイス』に改題されたものの電子書籍版である。

この話の主人公・貴世は39歳独身の小説家。結婚したことがないのに編集者から「結婚ブームだから結婚をテーマにしたものを書け」と依頼され、四苦八苦している。
そもそも結婚ってしたいんですか?と訊かれたときに「そりゃ、したくなくは、ないよ」と答えるあたりがこの主人公の性格や考え方をうまく表現しているなと思う。「結婚したい!」と強く願うわけでもなく(だから積極的な婚活・見合いや合コンはしていない)、かといって「結婚したくない」というのでもない。
貴世の友達の1人はそれまで自分で会社作るほどのバリキャリだったのに最近ごくふつうの勤め人と結婚してそれと同時に専業主婦になってしまった(出来ちゃった婚ではない)。当然、収入がガタッと減ったわけだが結婚生活を楽しんでいる。
もう1人の友達は独身。このひとがなかなかの辛口(というか既婚者に対するやっかみがひどい)。

わたしは会社勤めをしていて、そうすると会社にいる女性というのは結婚しても子どもが出来ても働き続けている女性か、独身かのどちらかである。あたりまえだが結婚して仕事をやめるひととは会社では会わなくなる。
だからこの小説の主人公たちが当然のように「結婚=仕事をやめて家庭に入る」と考えているらしいのに違和感があった。あのー、結婚しても仕事って続けてるひといっぱいいますけど。続けたいのか、続けざるを得ないのかはさておき。っていうか昨今の男性は「結婚して自分だけが稼ぐのはしんどいから共働きが良い」と考えているひとの割合が多い、ってネット記事なんかでもちょくちょく見かけますけど。
なんでこのひとたち結婚したら自分の時間が無くなるとか友人と飲みに行けなくなるとか言ってるんだろう。そんなことは選ぶ相手次第なのに。

「どういう人生を歩んでいきたいか」の設計図が40歳手前になっても全然できてない。「結婚してどうしたいか」も無く、既婚者が夫の意見に染まっていくのを揶揄している。そんな既婚者ばかりじゃないんだけどなあ。

貴世はある男性と出会って今まで長らく恋人もいなかったということが信じられないくらいあっさり付き合うことになり、そして当然「結婚」について具体的に考え出す。読んでいて「そんなに理屈ばっかりひとりで捏ね回してないでもうちょっと自分の感情に素直になったらいいのになあ」と思ったりした。でも同時にこういうふうにいろいろ考えてしまうのわかる。わたしも結婚遅かったので。たぶん、20代で結婚する人種との根本的な差はこういうところにあるんじゃないかな。
昔、30半ばの既婚男性が「結婚なんていきおいでするもんだ」と雑談で言っているのを聞いて、そのときは「いきおいだけだと失敗するんじゃ」と思ったけど年を重ねて振り返ってみればまさに「冷静に理性的に損得勘定とかで考えていたら結婚なんて出来ないな」と思う。

この小説の主人公は最後の最後である結論を出すが、それはそれで良いのだが、その発表の仕方がどうしようもなく社会人として人間としてなっていなくて、全然ダメだった。結婚についての重大な問題を相手抜きで一人で決めて一人でいきなり公にしてしまうのである。
同じことを相手にやられたらこの貴世はどうすんの?
相手の気持ちとか…、そもそもその家族や友人たちをあまりに馬鹿にしていないか。
呆れてしまった。まあそもそもこの小説の恋愛は男性側の気持ちが意味不明でなんでこんなにスムーズに行くのかもよくわからず、ずっと気持ち悪かったのですんなりまとまっても首を傾げたままだったとは思うが。恋愛小説でもあると思うんだけど、流れが唐突で気持ちが入り込めなかったのだ。

この小説で面白かったのは30代というかもう40歳手前になっての独身女性たちの本音っぽいやりとりと(もちろん彼女たちイコール現実のすべてではないことはきっちりアナウンスしておきたい。もっと多種多様なひとがいてそれぞれの事情・考え方・生き方があるのだ)、貴世の異常なくらい明るい(?)個性的なご両親だった。特に後者は東村アキコ女史の漫画か!というくらい面白かった。「ひまわりっ!」を1巻だけ読んだことがあるけど連想させるハイテンションおとうさんがすごい。

著者の中島さんは1969年8月生まれなので、この作品を書かれたとき主人公とほぼ同じ年だったわけだが、結婚されてるのかなあ。既婚者でこれを書いてたらすごいなあと思うけど独身じゃなきゃ書かない話なようには思う。
こういうテーマだけど中島たい子だからこそ「カラッ」「サラッ」と書いてくれてあり、コメディを読むような気持ちで気軽に読めた。これがこの著者の魅力のひとつだと思う。いろいろ書いたけど中島さんの作品、好きだ。

この話に登場する女性たちは「結婚」に一方的な付加価値(プラスもマイナスも)を付け過ぎだ。その割に「家」の問題を軽く見過ぎだ。ひとりでするんじゃないんだよ結婚って。
「フレーム」がどうのこうの、って出てきたけどそもそも独身で生きてても社会で暮らしている以上フレームの中で生きてるわけで、あえてそのフレームから出て生きようと思うとしんどさが伴う。それはそのフレームの種類と強度によって異なるんだけど。例えば「学校に通う」というフレームがあるよね、でも中学高校は行かずに別の方法で勉強して大検を取る、という生きかただってある、って具合に。
「結婚」はたしかにフレームであり、そこに入ることで「安定」はある。それをイコール「幸せ」と解釈するひともそうでないひともいる。
最初のタイトルが『結婚小説』でそれを『ハッピー・チョイス』に変えたというのがなるほどなあとは思うがそれにつけてもあのチョイスはふたりでじっくり話し合って決めるべきだったね貴世。

結婚小説
結婚小説
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中島 たい子
集英社
売り上げランキング: 783,063

2015/08/23

西荻窪の古本屋さん 音羽館の日々と仕事

西荻窪の古本屋さん 音羽館の日々と仕事
広瀬 洋一
本の雑誌社
売り上げランキング: 73,518
■広瀬洋一
2013年9月に本の雑誌社から出た本。
西荻窪といえば平松洋子の住む町!と平松さんファンのわたしにはインプットされているが、他にも作家さんが多く住む町らしい。あと、近畿在住の人間にはあまりピンとこないんだけど「中央線」に住むひと、っていうのである程度タイプが判断される材料になったりするらしい。

この本が出たとき、本屋で見かけてタイトルの「西荻窪」にピーンとひっかかり、しかも「音羽館」ってそういえば平松さんの本の中でも出てきたことあったかな?(記憶が曖昧だから間違ってるかも)。
ってゆーか帯! 帯のコメントがほむほむ(穂村弘)だよ! うっわそういえば穂村さんも西荻窪在住だったよね、んで「本の雑誌」に連載持ってるもんなあ。
――というミーハー心はだいぶソソられた。だけど購入には至らなかった。だって「音羽館」知らないもん…書いてるひとはこの古本屋さんの店主さんらしいが…まあ知らない書店の本を買ったことが無いではないんだけど。

では何故今頃この本を購入して読むに至ったかというと夏休み1日もらって西荻窪に行ってきたから。正確にいうと西荻窪&神保町に行ってきた。テーマは「ひらきなおっておのぼりさんの旅=平松さんの住んでる町にミーハー心丸出しで行ってみよう&神保町でなんかイイのナイか探してみよう」。
で、西荻窪ってどんな雰囲気の町かな~って見るついでにこの音羽館さんにも寄ってみた。そしたらこの本が棚にあった。「うーん、イイのかなー新刊書店で買うべきかなー」って思ったけどまあ、見つけちゃったので内心すまんと思いつつ買わせていただいたのだった。お値段は¥900が付けてあった。
本当は先にこの本を読んでこの書店行くのが正しいミーハー道なんでしょうなあ。

で、帰宅してから読んだんだけど、想像していたよりも「商売について」書かれている部分が多かった。これから古本屋を自分でやってみたい、という方に参考になるんだろうと思う。なんていうかもっと「ふわっ」とした雰囲気がメインなのかなと漠然と考えていたので。ってこれじゃなにかわかんないか…つまりもうちょっと「本が好きだから商売なんて考えてませんよ」っていうスタンスを演出してあるのかなっていうイメージだった。別に「商売第一」じゃないしまして「儲け主義」では全然ないんだけど、本のことをすごく好きな店主さんだなっていうのは読んでたらすぐわかるんだけど、えーとなんて言ったらいいのかな。つまり、すんごく誠実で真面目に仕事してるひとが自分の日々の仕事やそれを始めるに至った道筋やなんかを格好つけずに書いてある、そういう本だった。ああこういう信用できる本屋さんが近くにあったら良いなあと。

実際に棚を見せていただいた感想として、すごくセンスが良いんだけどちっともトンガッテいない。日常ふらっと散歩の途中で入って何も買わない日があっても大丈夫、買う時に「こんな本買って軽蔑されないかしら」なんて気にしなくていい居心地の良さそうなお店。最初「おしゃれ系でこだわってる棚づくりのお店なのかな、なんせ本まで出しちゃう古本好きに有名なお店なんだから…」って少し緊張して入ったのにふつうの町の古本屋さんのようにごく普通の漫画が棚に混じっているのを見てイッキに肩の力が抜けた。
本書を読み終えて音羽館さんに対する好感度が増し、いま思えば棚にあったあれとあれも買っておけば良かった…でも荷物が重くなってしまうと躊躇してしまったんだよね…あーあ。

音羽根の店主である広瀬さんはここで古本屋さんを始める前は高原書店で働いていたと書いてあり、あ、それって(三浦)しをんさんがアルバイトしてたとこと同じだなあと思っていたらしをんさんのことも出てきたので「おー」と思った。店主さんよりその奥さんのほうが親しかったらしい。
神保町の古本屋さんとは雰囲気がちがって小綺麗でどこかに「かわいい」「おしゃれ」がある(店内BGM含めて)とは感じていたけど本書を読むとそのへんにも広瀬さんの考え方がきっちり入っていたことがわかる。ほんと、行く前に読んどけよって話だよなあ。

2015/08/14

よろこびの歌

よろこびの歌
よろこびの歌
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実業之日本社 (2014-03-07)
売り上げランキング: 427
kindle版
■宮下奈都
本書は実業之日本社「月刊ジェイ・ノベル」に2007年11月~2009年9月にわたって不定期連載され、2009年10月単行本、2012年10月文庫化の電子書籍版。

タイトルが「よろこびの歌」でアマゾンの商品説明をざっくり読むに、挫折した少女が校内合唱コンクールを機に変化し、歌をきっかけに心を通わせ――などとある。
なんてベタなんだ!
と思ったがちょっと宮下奈都が気になる今日この頃であるし、なにより本書のkindle版が「月替わりセール」で¥199とべらぼうに安かったので購入した。んで数日放置してあった。なにしろあまりにもベタな設定なので読む前から辟易していたのである。

だが昨日気が向いて読みだすやいなや、あっというまに引き込まれた。
上手い! 巧い! 
全然期待していなかった分、そのヨロコビは大きかった。途中で失速したらどうしようと一瞬思ったがなんのなんの、最後まできっちり仕上げてくれてあった(最後もベタだけど)。
なんていうか、大筋は定番なんだけど、ひとつひとつの細かい描写が。出てくる少女たちの思考のあれもこれもが。まさにドンピシャというか、胸を鋭くえぐってくるんだよなあ。あーわかるそれ知ってるわ、文章化するとこういうことだったんだなあ、みたいな。
何気ない日常の、彼女たちの思いにぐんっと心を引き寄せられる、それもまた「ベタ」だから故なのかも知れないが、だからどうした! ベタだって良いものは良い、っていうか誰にでも書けるもんじゃないと思うんだよこの繊細さは、みんな流していっちゃうところを丁寧にすくいあげてさらりと描いてみせてくれる、ああ宮下奈都の良さはまさにこういうところなんだなあ!と。

本書を読んでいるとハイロウズのというかブルーハーツのというか甲本ヒロトの歌詞が作中に何度か出てきて、全然詳しくないので曲が浮かばないんだけども、最後まで読んだら奥付のところにこの小説の章タイトルはすべてハイロウズのシングルタイトルからと書いてあってふーんと思った。聴いてみたくなるなあ。
「よろこびの歌」と云われるとわたしなんかは「第九?」としか連想できなかったのだがちなみに本書にベートーヴェンのそれは登場しない。
章タイトル(1,2,3ではなく「ドレミファソラシ」で振ってある)は以下の通り。
章ごとに視点が変わり、同じ私立女子高校に通う生徒6名それぞれの物語が、人生がある。7つめの話は最初の話の視点に戻る、そこまでにどういう変化があるか、ということだ。
ちなみに私立女子高というとお嬢様?というイメージだがこの学校は名門でもなんでもない、新設のとりたてて特徴のない学校という設定で、そのことが本書の登場人物たちのちょっと複雑な進学理由とリンクしていたりする。

「よろこびの歌」
「カレーうどん」
「№1」
「サンダーロード」
「バームクーヘン」
「夏なんだな」
「千年メダル」

本書を高校生のときに読んでいたら、学校行事の合唱祭ももう少し違った気持ちで臨めただろうなと思う。別にいい加減にしてはいなくて歌うのは嫌いではないので自分なりには声を出していたつもりだったけど、「何を目標にして歌うか」「誰のために歌うか」なんて考えていなかったなあ、って…。
中学生、高校生にぜひぜひ読んでいただきたい1冊だ。学校の先生方にもおすすめしたい。
夏に読んで、ぴったりだったなあ。清々しくて感動した。

2015/08/12

吉田電車

吉田電車 マル車シリーズ (講談社文庫)
講談社 (2013-12-13)
売り上げランキング: 9,621
kindle版
本書は2003年に単行本が上梓され、2007年に文庫化したものの電子書籍版である。
2002年に単行本が上梓された『吉田自転車』は自転車であちこち出掛けたことをテーマにしたエッセイ集だが、その姉妹編?みたいな本書は電車に乗って出かけた篇。
ちなみに2006年単行本刊『吉田観覧車』というのも(未読だが)あるそうだ。

初出は「Web現代」2002.12.11~2003.5.19。

『吉田自転車』は昔文庫本で読んだことがあるのだが、表紙がすごく良かった。中身については覚えていないが、悪い印象も無いのでそれなりに面白かったのだろう(と思ったらこのブログ内に感想があった。読んだのは2009年だって。たった6年前じゃないか。わー覚えてない!)
『吉田電車』は電車であちこち行く、というので鉄ちゃんのその種のエッセイはだいたい面白くてアタリが多いのである程度期待があった。
読みはじめてすぐ吉田戦車が鉄道ファンではないことは悟ったが、それはそれで吉田戦車独特のテンションの低さ(?)が良い味を出しており、まったりと楽しめた。
何より第1回のテーマが「近鉄電車」「近鉄特急」というのが奈良県出身者には嬉しいこと限りない(近鉄特急で名古屋から伊勢志摩というルートはまったく逆だから乗ったことないんだけども)。
鉄道とか電車とかにマニアックな視線を注いだりはしないが、基本的にその種の機械とか設備とかに関心があるみたいで、ホームの端っこにある謎の設備とか、運転席の見慣れない用語の注意書きとかにひそかに萌えているというのが面白い。
何度か出てきたのが「手歯止め」。
ウィキペディアによれば【手歯止め(てばどめ、てはどめ)、または輪止め(わどめ)、ハンドスコッチ (Handschoch)、チョック (Chock) とは、鉄道車両や自動車、航空機などが車庫などで長時間停車する際に、車両や機体が勝手に動き出さないように、車輪とレールの間やタイヤと地面の間に噛ませるくさび形の器具のことである。】。
たぶん「輪止め」とか「ハンドスコッチ」って書いてあったら『吉田電車』にわざわざ記述されることはなかっただろうな。「手」「歯」という日常生活であまり見かけない組み合わせの言葉に反応したんだと思う。「手羽」ならよく見るんだけどね。単に「歯止め」でも良さそうな気がするんだけど「手歯」なんだね、面白いよな確かに。

『自転車』のほうの記憶が無いのだがこのシリーズは「麺類を食べる」というサブテーマもあるみたいで。
今回もラーメンや蕎麦を食べていた。でもグルメレポっぽさは全然なくて、「食べたよ」という事実が書いてあればそれでいい、みたいな雰囲気だった。あんまりおいしくなくても「まずい」とは書かないことにしているんだろうなというのは伝わってきて、お人柄だなあと。何故か魚類における麺類ということでドジョウも食べていたが…関東はドジョウ文化があるみたいだなあ。ドジョウ。わたしは食べたことが無い。関西ではあんまりドジョウ食べる文化が関東ほどではない気がする。

吉田戦車(1963年生まれ)の経歴をググってみると最初の結婚は1990年で編集者さんと。27歳くらいのときということになる。で、奥さんの趣味で成城に住んだけど合わなかったらしい。本書の中でもそのことに触れた箇所があり、2年住んですぐに引っ越した、と書いてある。
本書の中ではまだ「家の者(大)(小)」が登場している。家族そろって山梨の実家に自家用車で帰省したりしている。
吉田戦車は2007年に伊藤理佐とまんが家同士で再婚しており、そっち方面からの関連で今回本書を読むことにしたのだが、うーむ…。

目次
第1回 ああ近鉄! 伊勢湾にひびく巨獣の咆哮
第2回 魚罵倒! ゴッドパワーを信じて
第3回 Vゴール! 魂の兄弟たちとの出会い
第4回 生玉ネギ! ナイスバイク号はおかんむり
第5回 六本木! ああミニスカポリスの脚
第6回 サンドイッチ! 胆沢平野に白鳥は舞う
第7回 ザネリ! 賢治ゆかりのつるつるしたもの
第8回 ジェームス! 八方尾根にコンタクトは光った
第9回 レール! 歳三うどんはミルク入り
第10回 戦車誕生 よみがえれスマートな俺よ!
番外編その1 NHKと俺
第11回 六本木再び! ナメクジキラーここにあり
第12回 勝蔵の力! 人妻よ、寒いときは服を着ろ
第13回 耳との再会! 走れはやて、飛べ白鳥
第14回 トンガリ川! 函館市電に高鳴る鼓動
第15回 辰アニィに登るな! 三匹の奴らの咆哮
第16回 弁当半額! 大人のホビーと江戸の実力
第17回 毛の謎! 前厄軍団がゆく
第18回 たまちゃんとの出会い パセリの緑
第19回 スズメ捕獲! 千葉県”いすみ鉄道”前編
第20回 竹の子過剰! 千葉県”いすみ鉄道”後編
番外編その2 自転車散歩と俺
あとがき

2015/08/06

不細工な友情

不細工な友情 (幻冬舎文庫)
幻冬舎 (2015-07-03)
売り上げランキング: 3,853
kindle版
◆光浦靖子・大久保佳代子
本書は2006年11月幻冬舎から出版され、2008年に文庫化したものの電子書籍版である。
大久保さんは苗字で3文字、名前で3文字で6文字もあるんだなあ、というのをなんだかいまさら改めて認識した。
執筆者名は五十音順だと大久保さんが先だけど書籍情報には光浦さんが先にしてあるのでそれに倣った。

同い年で、小中高と同じ学校で、大学は別だったけれど卒業後は「オアシズ」としてコンビを組んでいるおふたりが往復書簡の体裁で綴った交換エッセイ集。
本書で彼女たちは34歳~35歳くらいで、大久保さんはまだOL(週2,3日の勤務らしい。正社員でそんなのあるのかなあ。でも契約社員とも書いていないんだよね)とタレント業の二足のわらじを履いている時期。

ここ数年は観なくなったが、このくらいのときはわたしもけっこう「めちゃイケ」を観ていた。
大久保さん、文章上手だなあ。
光浦さんのパートを読むときは頭の中で光浦さんの声で再現されるけど大久保さんのときはそうでもない。光浦さんの少し高めの声、特徴あるからかな。

光浦さんと大久保さんだったら光浦さんのほうが友達になりたいというか好きだったんだけど、この本を読んだら光浦さんって想像以上に難しいひとだったのでちょっと躊躇している。大久保さんは2010年にOLを辞めて以降むしろ光浦さんより露出が増えたような気がするが(あまりテレビを観ないので正確にはわからないがたまにしか観ないわたしがちょくちょく目にするから)、そのときに発言していることと、この本の中で書いていることが基本的なスタンスが一致していて変わっていないことにちょっと驚くというか、つまりあれは演技じゃなくて実際そういうひとだっていうことなのかなあ、とか思った。

わたしと彼女たちは年齢はそんなに大きく変わらないのだが、性格とか考え方が根本的なところで違うらしく、予想以上に共感することが無かった。大久保さんはともかく光浦さんにはもうちょっと共感するかと思っていたので意外だった。部分的には近い考え方をしているのだが、例えば「基本悪いほうに考える」にしてもスケールが違うし、出す結論が彼女はさすが芸人さんというか、「自分が商品」の方だ。一般ピープルとは違うんだね。

目次
はじめに(光浦靖子)
三十路のカラダ・・・リウマチのOL(大)/じんましんの芸人(光)
ITの誘惑・・・妄想カップル(大)/仮想家族(光)
親孝行の旅・・・奥湯河原の母(大)/奄美大島の父(光)
女の友情・・・幼なじみ格別(大)/相方は複雑(光)
悩める欲望・・・男好き(大)/自分好き(光)
食事日記・・・疑惑の小食(大)/魅惑のマンゴー(光)
趣味の歴史・・・川岸で石集め(大)/図書館でシール集め(光)
別れの記憶・・・さよなら、ぞっこんの彼(大)/さよなら、愛犬タロー(光)
ファッション通信・・・ねずみ色の秘密(大)/スカートの秘密(光)
お金事情・・・小銭持ちと給料(大)/中銭持ちと賞金(光)
芸能界と私・・・はったりで慰め(大)/大爆笑が慰め(光)
ラストレター・・・仕事よりも恋(大)/顔よりも性格(光)
おわりに(大久保佳代子)

2015/08/02

バーナード嬢曰く。 【漫画】

バーナード嬢曰く。 2 (IDコミックス REXコミックス)
施川ユウキ
一迅社 (2015-07-27)
売り上げランキング: 306
バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)
施川 ユウキ
一迅社 (2013-04-19)
売り上げランキング: 1,511
■施川ユウキ
この作品は漫画です。

2013年の発売により読書好きたちを震撼とさせたあの漫画の第2巻が発売された。

本を読むのはめんどくさいけどカッコイイ本を読んだことにして読書家ぶりたい町田さわ子ことド嬢(バーナード嬢。バーナード・ショーからのダジャレらしい)。
読書家で、特にSFについて詳しい神林しおり。
シャーロック・ホームズ好きな図書委員・長谷川スミカ。
そこそこ読んでるけどマイ・ブームはちょっと前のベストセラーを今頃読む、という遠藤君。

最初は読書漫画として描かれておらず、名言に絡めた漫画とかそっち路線を目指していたためにこのタイトルらしい。
本が好きなひと、本が気になるひと、読み手の読書スタイルによって共感するキャラはいろいろあるみたいだけど、町田さわ子の言動に「ムカつく!(笑)」とツッコミつつ、神林さんのSFマニアっぷりに敬意を抱きその純粋な作品への愛の深さに感動する、っていうのがわたしの場合かな。神林さんと高校のときに出会っていたら間違いなく感化され、SFファンになっていただろう。神林さん好き!

町田さわこは全然読まないようで神林さんにすすめられた本は結構読破しているようす。
長谷川さんは第1巻はあまり印象に残る言動がなかったが、第2巻でのシャーロキアンぶりには「そうそう」と笑ってしまった。
それにしても又吉さんの『火花』と別のひとを並べて評価するのはやめてほしかったなあ。あのひとも純文学書けば良かったんだよ、とか純文学なら成功してたのに的な論旨も腹立たしいこと限りなし。

この話の登場人物たちは高校生なのだが、ちょくちょく作者(=施川ユウキ)の意見をそのまま言わされたりしているときがあり、「思考回路がオッサンだよ(高校生なのに…)」と思うことがあるがまあ本がネタになっている漫画というのはやっぱり愉しい。

ここでは紙版を貼ったがkindle版も出ているようだ。

2015/08/01

東京創元社創立六十周年記念トークイベント集

kindle版
■東京創元社
二〇一四年は、東京創元社創立六十周年という節目の年。そこで、小社主催の記念企画として、四ヶ月連続でトークイベントを開催しました。】ということで、そのレポートは【隔月誌〈ミステリーズ!〉に掲載された後、増補版をウェブマガジン〈Webミステリーズ!〉で公開したものです。この度、増補版全四会をまとめた完全版を電子書籍で配信します。】ということで。
なんと無料。有難や!

目次
有栖川有栖×似鳥鶏「わたしの東京創元社ベスト5」
大森望×西島伝法×宮内悠介「わたしの東京創元社SFベスト5」
西奇進一×高橋啓×柳沢由美子「翻訳小説が面白い!」
北村薫×北上次郎×戸川安宣「わたしと東京創元社」

それぞれ略歴&ベスト5&トークイベントを起こした記事、が収録されている。
どれも面白かった~!
知らないかたもたくさんいたんだけど、小説家や翻訳家、つまり文章のプロの方が「この本が面白い!」という話をされている、そういうのってやっぱり興味をかきたてられるというか、読みたいなあ! って思わされる。
中には自分が既読のものもあり、自分の感想と感動のテンションが違うなあというのもあるけど、ま、基本、東京創元社ばんざい、東京創元社の出す本イイヨネ、なイベントの記録でありますからして。

電子書籍発信なのに、中で挙げられている作品のほとんどが電子書籍で読めない、というのはちと残念。
なかには紙媒体ですら絶版というものもある(それは文中で断られている)。