谷山 由紀
朝日ソノラマ
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■谷山由紀
ラノベをこよなく愛する読書家ウェンディ様(仮名)から借りた絶版本。
少女漫画みたいな表紙で(イラストは「まる伝次郎」さんだそうだ。よくわからないので検索したらコナン君の青山さんとちょっと関係ある?のかな)、むかしのコバルトとかそういう、少女小説系。1995年に出た作品で、高校野球の話かと思ったらなんとプロ野球の話なのだった。1つのチームをめぐる、いろんな立場のひとがいろんな視点から語る。オムニバス短篇集。
正直第1話「ジンクス」の語り手・岡野のしゃべりかたが気持ち悪くて性格も悪くて鳥肌モンで、どえらいもん借りてしまった~というか借り物じゃなかったらここで読むのやめて壁に投げてるよ~って感じだったのだが頑張って読んだ。そしたら第2話から語り手が変わっていて、文体も全然問題無くなって、普通に読めるようになった。それどころか文章が気に触らなくなってしまったら純粋にこの(ほぼ)野球人間ばっかり出てくるお話たちはどれもけっこー面白いのだった。
努力家・名倉(全篇通じての主人公的存在)が良いんだよなあ。まあ、欠点らしき欠点がいっさい無い、っていうのが「そんなデキた若い男がいるもんか~っ」というツッコミをいれずにはいられないところなのだがでもだってこれ、少女小説だもんね、ドリーム書いてなんぼの商売だもんね。最後の話は乙女が主人公の甘酸っぱさがあくまでライトにソフトに、そして女の子の立場がすごく上手く書かれててなるほどこれが出てくるのが少年向けと違うとこだよなぁと妙に納得したり。